ひたちなか海浜鉄道訪問記
出発
辛うじて6時過ぎに起き、メシを食べ、最低限のメールにリプライしてから家を出る。
7:18発の中央線快速東京行きにのり、例のごとく運に恵まれないまま東京までナナメに移動。
東京ではがんばれば一本前にも乗れたのだろうが、その列車は平塚止まりであり、本日の第一の目的地である小田原に到達することはできないので、8:10の熱海行きに乗る。
いつものごとく1号車に乗車。例外を除けは、比較的空いている。平日ラッシュ帯だが逆方向でもあるし、さすがに座ることができる。
新橋、品川と案外降りる人が多いのに驚く。いくら京浜東北、山手に比べ、圧倒的に空いているとはいえ、1号車までやってくるのは大変である。
クロスシートに乗るのが好きなんだろうと好意的?に解釈することとした。
川崎、横浜は案外と人が乗ってくる。横浜では東京から乗っている人々のほぼ半分が降りた。
まだ、9時出社でも余裕の時間である。
横浜、戸塚間は久々に乗るとかなり長く感じる。並行する横須賀線では、途中に複数の駅があるほどだ。気付いたら、山側に東海道貨物線が複線で添っている。
横須賀線と併せ横浜、大船間はなんと東海道6線だ(横須賀線は「戸籍」上は大船から久里浜)。
戸塚では横須賀線と方向別ホーム、大船では路線別ホームだ。同方向の乗換えを考えると合理的な配列なのだろう。
戸塚から乗ってきた老夫婦が「息子が戸塚で乗りかえろってたのは、こういうわけかい」などと話している。いい息子だと思う。鉄ヲタかもしれないが、単に通勤者かもしれない。
茅ヶ崎では大量にタバコの煙が侵入してきた。4月から首都圏全面禁煙になったはずだが、見事に喫煙所があり、喫煙者が群を成している。ここはもう首都圏ではないようだ。
大磯までくると、どうみても「首都圏」という感じではなくなる。しかし、丸の内近辺なら充分通勤圏内ではあるが。現在の東京では。
小田原に到着。予定よりは10分程度早いが、どこか見物に出かれるような時間はない。
首都圏最長グリーン普通列車の旅
これから本日第一のハイライト、長距離普通列車グリーン車の旅となるので、飲食物を仕入れる。
とはいっても朝飯は食べてあるので軽いもので充分だ。
今回はミニメンチカツバーガーと、6色一口稲荷を調達。飲物はとりあえずミネラルウォーターでよいことにする。
ホーム上のグリーン券販売機にてグリーン券購入。というか、グリーン車の権利をSuicaに記録といったほうがよいのかもしれない。
5号車東京寄りの一階席を確保。
眺望では二階席がよいが、やや、頭の上が狭く窮屈な感じも避けられない。椅子の大きさも一階席のほうが大きな気がする。気のせいかもしれないが。
また、席数が少なく、静かなことも多い。
しかし、その期待は裏切られた。酒類やつまみを多数持った8人ほどの高年齢者のグループが乗ってきた。席を向いあわせにセッティングして、これは完全に宴会モード。
これはたまらんと、ジャケットをその席に置き、荷物を持って4号車へ移動。こちらは静か。もう一度5号車へ戻り、Suicaをタッチしてジャケットを持って移動、グリーン<権>を5号車へ移動する。
車齢も比較的若い湘南新宿ラインのグリーン車の乗りごこちはよい。
また東海道・横須賀・品鶴・山手・赤羽・東北・上越線という幹線であることから、e-mobileの圏外率も低い
もっとも、モバイル通信を小まめに切らないとノートの電源が持たない。
東京に近づくにつれ、見るものがなくなるので、メールを読み書きしたり、ドキュメント書きをしたりしていくうちに大宮を過ぎ、あたりの風景が変わってくる。
いまや、どこでもそうだが、周囲よりちょっと大きな街にショッピングモールが出来、そこだけが新しい街となっているような風景が現われ出す。
仕事も一段落したので二階席に写り、景色を眺める。岡部駅のそばに、レールの分岐器の専業メーカと思われる工場があり、見入るがあっというまに過ぎる。写真も撮れず。
そうこう(走行?)している内に高崎に到着。両毛線に乗り継ぐ。乗り継ぎが良すぎて何もできず。
両毛線
両毛線のホームには見慣れた電車がいた・・・というか、また211系である。しかも、号車表示が11号車から15号車の5両編成である。
増車5両を両毛線で稼働させる運用をしているらしい。
それ以外にも様々な車両が運用されていた。高崎側は電化複線であったが、ちょっとうとうとした際に単線になっていた。
あとで時刻表の1月号で確認しよう。余談だが、JTB時刻表の毎年1月号には「ひと目でわかる電化と複線化区間」というのが載っておりこの手の疑問はすぐわかる。(確認: 前橋-駒形、岩船-佐野間のみ複線でした。)
途中で前を眺めていたら、佐野-岩舟間が一駅だけ複線になっていた。架線も張られていた。時刻表を見る限りではそんなに容量が必要にも思えないので、もしかしたら鉄橋の切替など工事なのかもしれない。(前述の通り、普通に複線でした)
今持っているのはポケット時刻表。抄録だし、普段と切れめも違って使いづらいが、小さくて携帯には便利だし、無いよりは100倍マシなのだ。
岩舟駅に進入する手前で左手(たぶん北側)に奇岩的な山が見えた。「岩舟山」という単語は聞いたことがあるが、栃木の話だったかどうか覚えていない。(その岩舟山でした)
小山駅の一駅手前、思川駅で列車交換を行った。こういう運用が行われているということは小山駅の両毛線ホームは一面一線かな?と思ったが、やや違った。
小山駅の両毛線ホームは一面三線だった。6番には列車が留置されており、7番線はいわゆる0番線方式の切り欠き、ただし線路および番線表示は無し(線路がないんだから当たり前)。
列車は8番線に入り、次の列車も折り返しが8番線から出るようだ。これは予想が当ったのか外れたのか微妙だな、と思ったが、それよりも小山駅の構造のほうが面白かった。
在来線ホームが新幹線の高架下であり、建造物マニア系の人には受けそうな感じだ。
しかも、高架の柱に耐震補強と思われるワイヤというか鉄筋というか、そのようなものが巻かれており、異様な雰囲気を醸し出している。
両毛線ホームの端に立食いそば屋があり、すごく懐しい雰囲気を振りまいていたが、どうも水戸線まで遠いようなのでここで食べるのは断念し、改札を出てそのへんをうろついてみたが、
大したものはない。少なくともすぐ食べられそうなものは。
水戸線
あきらめて水戸線ホームに行くと、なんと両毛線ホームと同じと思われる立食いそば屋がある!
これは食べるしかない、と思い、かけそば(250円)を購入。雰囲気は古めかしいが、食券制でその購入方法が自販機というのだけが現代的だ。
かけそばはやはり懐しい雰囲気。味もある意味予想通り、さしてうまくもないそばにしょっぱい汁である。だが、それがいい。それでいいのだ。
水戸線は415系。交直両用電車だ。ということは水戸線は直流電化ということか?それとも東北との直通のためで交流電化だろうか(追記:なんと、小山-小田林の手前が直流、そこから友部までが交流という交直流ローカル線でした。考えてみれば、そうでないと東北(直流)から常磐へと走れないですね。でも、デッドセクションには気づきませんでした)。
しかし、小山駅では、両毛線も水戸線もかなり駅的には両極端にハズレのほうにある。買収線なのかな(そうでした)。
他の共通点としては、すごく揺れる。ジョイント音からすると25mレールを使用しているのであろう。速度は95km/h制限と思われるが、かなりウルサいし激しく振動する。
宮脇俊三氏の「古スピード」を思いだした。![]()
田園風景の中に突然現われる、自動車の姿がほとんど見えない高速道路というのもトホホな共通点かもしれない。
今日に限っていえば、桜3分咲き~8分咲きというのも共通点だ。もっとも、両線ともあまり勾配のないところを東西に走るわけだから当たり前ではある。
さて、ロングシートだとやはり景色を見るのが辛い。かといって、立ちっぱなしもつらい。なので立ったり座ったりしながら見ていると、水戸線は以外と水戸側に冷たい。
区間運転も無いし(小山側はある)、友部止まりも多い。実際、案外と短距離客が乗ってこない。このへんはニワタマ問題でもあるので面倒だけど、小山側のほうが優勢?のようだ。
ひたちなか海浜鉄道
さて、この列車も友部止まりなので、常磐線に乗りかえて勝田に行く。勝田は水戸止まりの引き上げ線的なものだと思っていたが、実際そのようだ。駅前になにもない。いや、無いわけはないが、たいしたものはない。
たいしたものはないといえば、この稿の題であるひたちなか海浜鉄道であるが、かなり何もない鉄道である。
僕は茨城交通のころを知らないのでなんとも言えないのだが、まず駅舎がない。
常磐線のホームの一部が改札だ。
しかも、旧国鉄を差し置いて、1番線を名乗っている。珍しいケースではないだろうか。
さらに言えば、DCが密着連結器でない。いつのDCだ?と思ったら昭和41年製。車齢40年ちょい。なんとも微妙。
とりあえず乗ってみる。終点まで30分前後。手頃な長さだ。
しかし、やっぱり微妙な鉄道だ。見所は基本的には無い。那珂湊で車両を展示(放置よりは手間を掛けている感じ)しているくらいか。
ただ、あの真っ平ら感はそれなりに面白い。都心から二時間強で来ることができるわけだし。
終点の阿字ヶ浦にはなにもない。海水浴シーズンならなにかあるのかもしれないが、今はなにもない。



だが、僕の地元、岳南鉄道の岳南江尾ほど何もない駅とは言えない。
岳南鉄道には途中の有人駅もないし、自動券売機もない。折り返し時間も1~2分しかない。江尾には、駅前すら無いといっても過言ではない(駅舎があるんだけどその前には道路がない。店もないし、民家もそっぽを向いている)。
やや話が逸れたので戻す。
折り返しの列車(単行だけど)の時間もあるので、ほんの数分で撤収する。衝動的勃発的な訪問なので下調べもへったくれもないのでしかたない。
ただ、夕日は綺麗だった。
帰りは勝田から一駅1分の日工前から歩こうかと思っていたが、なんとなく面倒になり、勝田まで戻る。
改札を出て軽い食べ物でも調達しようと駅前を歩いてみると、いきなり飲み屋街だ。
スーパーなどは奥さんが車で行くのだろう。前述の「日工」はどうやら日立工機のようだが、現在ではジャスコだ。駅から徒歩5分ちょいに見えたが、ものすごい駐車場が完備されていた。
しかたないのでKIOSKでカワキモノとチューハイを買い、本日2回目のグリーン車に乗りこむ。
二回合計で5時間を越えるので、1900円で5時間、一時間当りでいえば380円だ。
これで悠々と移動ができるのだから安価だとは思うが、いかんせん経路に一般性がまったくない。
小田原から上野に移動するのに高崎、小山、友部を経由し、さらにローカル私鉄を乗るというのは精一杯良く言っても趣味人、普通に言えばアホのすることだ。
しかもどこに寄るわけでもなく、車窓に飽きれば普通に仕事をしたりして、いったいなにをやっているのかさっぱりわからない。
携帯とデータカードの発達のおかげで、こういうことをやりつつも、ある程度仕事になるのは助かる。
逆に逃げづらくなったとも言うが、積極的に逃げれば有用に使えると言い張ることもできるようになった。今日はその有用な例である。
実際、ひたちなかを待っている間に来週のスケジュールの打合せをして、常磐線に乗ってからドキュメントを作成し、送ることができた。チューハイを飲みながらだったのは秘密だ。
すっかり日が暮れたのであまり難しいことを考えずに勝田から上野へ向かう。
この文章をまとめたり、仕事のメールを書いている内に上野に到着。上野からは山手線で東京。
東京からは中央線の快速に乗る。13時間ぶりの中央線東京駅ホーム。
正直なところ、別に懐しくもなんともない。
次はどこへ行こうか。というか、いつ行けるのだろうか。